「年金って、義務で払わされるのに、結局払った額より少ししか返ってこないんでしょ?」

最近、こんな声をよく聞きます。
特に、NISAや投資が広まってきたことで、

「だったら自分で40年間投資した方が増えるんじゃない?」

と感じる人も増えました。

実際、数字だけ見ると、そう思ってしまう気持ちはかなり自然です。

今回は、

  • なぜ年金は“損”に感じるのか
  • NISA運用と何が違うのか
  • それでも国が年金制度を続ける理由

を、できるだけわかりやすく整理してみます。


「払った額より少ない」は本当?

まず、多くの人がモヤモヤするのはここです。

例えば、会社員として40年間厚生年金や国民年金を払い続けると、総額で数百万円〜1000万円以上払う人もいます。

すると、

「それだけ払ったなら、もっと返ってきてもよくない?」

と思いますよね。

しかも最近は、

  • 少子高齢化
  • 支える若者の減少
  • 将来の受給額への不安

などもあり、「どうせ元取れない」という空気が強くなっています。


じゃあNISAで40年積み立てたら?

ここでよく出るのが、

「毎月同じ金額をNISAで積み立てた方が増える説」

です。

たしかに、長期投資はかなり強いです。

例えば毎月3万円を年利5%で40年積み立てると、理論上はかなり大きな資産になります。

y=30000(1+0.05/12)12x10.05/12y=30000\cdot\frac{(1+0.05/12)^{12x}-1}{0.05/12}

複利の力は本当に大きく、
「自分で運用した方が得じゃん」と感じるのも無理はありません。

特に近年は、

  • オルカン
  • S&P500
  • インデックス投資

などが有名になり、

「長期で持てば増える」

という考え方が一般化しました。


でも、年金とNISAは“役割”が違う

ここが意外と重要です。

実は、年金は「投資商品」ではありません。

年金はどちらかというと、

「国民全体で支え合う保険」

に近い仕組みなんです。

つまり、

  • 長生きした人
  • 障害を負った人
  • 一家の働き手を亡くした家族

などを社会全体で支える制度です。


年金には「保険」の機能がある

例えば年金には、

  • 老齢年金
  • 障害年金
  • 遺族年金

があります。

もし若いうちに大きな病気や事故で働けなくなった場合、障害年金が支えになります。

また、家族を養っている人が亡くなった場合、遺族年金があります。

つまり、

「長生きリスク」
「働けなくなるリスク」

への備えでもあるんですね。

NISAには、当然こういう機能はありません。


投資は“増える可能性”がある代わりに、減る可能性もある

ここも大事なポイントです。

今は「長期投資すれば勝てる」という雰囲気がありますが、投資に絶対はありません。

40年間ずっと右肩上がりになる保証は誰にもありません。

  • 暴落
  • 世界情勢
  • 円安
  • インフレ
  • 大恐慌レベルの危機

こういうものが起きれば、資産が大きく減る可能性もあります。

一方、年金は市場が暴落してもゼロにはなりません。

ここは“安心料”とも言えます。


とはいえ、若い世代が不満を持つのも当然

ただ正直、今の若い世代が

「なんか不公平じゃない?」

と感じるのもかなり理解できます。

昔は、

  • 支える若者が多い
  • 高齢者が少ない
  • 経済成長も強い

という時代でした。

でも今は逆です。

現役世代の負担感がどんどん増えています。

だから、

「自分で資産形成した方がいいのでは?」

という考えが広がるのは自然な流れでしょう。


結局、大事なのは「どっちか」ではない

個人的には、

  • 年金だけに頼るのも危険
  • 投資だけに頼るのも危険

だと思います。

年金は“最低限の土台”。

NISAやiDeCoは“自分で上乗せする資産形成”。

この2つを組み合わせる時代なんでしょうね。


まとめ

「年金って損じゃない?」

そう感じるのは、決しておかしなことではありません。

特にNISAが広まった今、

「自分で運用した方が増えそう」

と思うのは、ごく自然です。

ただ、年金は単なる“積立投資”ではなく、

  • 長生き
  • 障害
  • 遺族保障

まで含めた“社会保険”という側面があります。

だから単純に、

「年金 vs NISA」

では比較しきれない部分もあるんですね。

とはいえ、将来への不安がある以上、

「国任せにせず、自分でも備える」

という考え方は、これからますます大切になっていきそうです。

By hedy